添乗員(ツアーコンダクター)に求められる特性
究極のサービス業と言われる添乗員・ツアーコンダクターのお仕事は簡単ではありません。
多種多様なツアー客を引率してさらに、楽しんでもらえるように四六時中気を遣うお仕事。
現役添乗員は個性豊かな人たちばかりで、いい意味であくの強い人が多いですが、そんな個性的な人たちにはあるひとつの共通性がるように思えます。
ここでは、ベテラン添乗員の共通項ともいえる「添乗員に求められる特性」について紹介します。
マニュアルではなく臨機応変な対応ができる人
ツアーは何事もなくスムーズに進行することはめったにありません。
事前にトラブル対応方法などの研修を受けていても、現場では通用しないケースはいくらでもあります。
特に、はじめての行先ではイレギュラーな出来事があたりまえのように発生します。
そういった想定外のトラブルでは、その場その場の状況判断を的確に行い、適切な対処が必要となります。
コミュニケーションが得意な人
あたりまえですが、コミュニケーション力は最も必要なスキルです。
「コミュニケーションが得意な人=話し上手」と思われがちですが必ずしもそうではありません。
ツアー参加者の年齢や性別、性格はもちろん、旅行にかける思いはそれぞれです。
「どういう旅行がしたいのか?」「どんな思い出を作りたいのか?」といった、情報を聞き出す「聞き上手」であることの方が重要です。
実際にベテラン添乗員はツアーの空き時間(特に行きのバスや飛行機の中など)にツアー参加者とよく雑談をしています。
雑談のなかで参加者の゛人となり”を聞き出しておくことで、「この人はどんな人で、何を求めているのか?」を把握します。
参加者それぞれのニーズが分かれば、それに応じたアドバイスやお得情報などのサービスを提供するだけで、円滑なコミュニケーションが生まれるのです。
また、円滑なコミュニケーションは、参加者のツアーの満足度を上げるだけでなく、予期せぬトラブルが発生した時も寛容に受けとめてもらえるといった効力もあります。
サービス精神が旺盛な人
添乗員の仕事は旅行会社が立案したスケジュールをスムーズに進行させることですが、ツアー参加者は進行役以上のサービスを添乗員に求めるのも事実です。
ツアー参加者は老若男女さまざまで、それぞれ旅行の目的が異なります。
カップルや夫婦には、できるだけ二人の世界を作れるように気を遣ったり、年配者には、不慣れな環境に戸惑わないように、積極的に声をかけてあげて緊張をほぐしてあげることも必要です。
過度なサービスを提供する必要はありませんが、ちょっとした心遣いで添乗員の印象は変わり、ツアーの満足度も上がります。
体力に自信がある人
添乗員の仕事は体力勝負でもあります。
何人もの旅行者を束ねて引率することは精神的にも肉体的にも大変な業務です。
疲れていても、添乗業務中は元気で活発な印象を与え続けることが求められます。
ツアー中に添乗員が倒れてしまっては、ツアーの計画が台無しになる恐れがあり、クレームにつながってしまいます。
アスリートほどの体力は必要ありませんが、ちょっとした運動でバテテしまうような人はあまり向いていないでしょう。