添乗員・ツアコン(ツアーコンダクター)のお仕事/事前準備

出発前の事前準備

国内添乗員と同様に海外ツアーにおいても出発前の事前準備から添乗員の仕事が始まります。

 

 

国内ツアーはある程度予備知識もあることが多いので、一から勉強することも少ないですが、海外ツアーは見知らぬ国の事情を知る必要があるのでしっかりとした準備が必要です。

 

 

ツアー客も添乗員を頼りにしてくる場面も多くなりますので、旅程管理などの通常の添乗業務以外でも最低限の現地情報は覚えておきます。

 

 

特にツアーに組み込まれている観光地の歴史や文化はもちろんのこと、周辺のレストラン情報、お土産やなどのショップ情報など、ツアー客に質問されそうなことはある程度想定して事前準備を徹底しておきます。

下調べと情報収集 

下調べ

まず最初に行うのが行先(旅程)に対する下調べです。 

 

訪れる国や都市の歴史・地理・政治・経済・文化・習慣・宗教といった現地事情から、生活習慣・食事・お土産・服装・気温・時差・通貨・治安など旅行に付きものの知識、観光コースに含まれている自然・美術・建築・施設などの名所についての知識など、できるだけ広く細かく調べて添乗ノートにまとめておきます。

 

 

ただ、情報量が豊かな現代では、これらの情報はインターネットやガイドブック、観光局の資料から容易に得られるため、参加者も既に知っていることがほとんどです。そこでさらに、参加者の知らない情報を入手するために、訪問先の国の紀行文や評論などが紹介された書籍を通読したり、既に添乗してきた先輩や同僚たちまたはオペレーターにアドバイスを受けたり、添乗レポートを読んで最新の旅行事情を把握します。

 

 

また、外務省などから発表される現地情報には特に注意し、スリ・盗難・事故発生の危険・対日感情・税関規制の変更などについても最新情報を得ておきます。

 

そして、オプショナルツアーについては幅広い知識が必要です。
企画旅行・パック旅行の場合は行先はすべて会社指定となっていますが、手配旅行の場合はツアコン(添乗員)の力量が問われます。現地で状況に応じてさまざまな提案できるように調べておきます。


出発前の打合せ

打ち合わせ

出発の数日前〜前日にツアーの手配担当者と手配内容や注意事項などの最終確認を行います。
打ち合わせ内容は主に下記となります。

 

■最終旅程表の確認

 

出発前に配布される「最終旅程表」を事前に確認します。
日程スケジュール順に、集合時間、フライトスケジュール、ホテルのチェックアウトから空港までの所要時間、バス・鉄道などの移動時間、観光対象と所要時間など予定時間内にスケジュールをこなせるかどうかひととおりシミュレーションを行います。
また、ホテルや訪問先施設の利用条件、食事の内容、鉄道や船のグレード、などサービスと金銭に関することはどんなに細かいことでも確認しておきます。
既に参加者に配布されている旅程表と最終旅程表に違いがある場合には、現地でのトラブルを未然に防ぐために変更理由をしっかりと確認しておくことも必要です。
打ち合わせ
■ホテルのサービス内容と周辺環境の確認

 

宿泊するホテルの設備や客室の条件も確認事項です。
特に参加者のくつろぎの空間となる客室の条件は最も重要です。客室からの景観、禁煙・喫煙、バス・シャワー付き、ベッドタイプ、ベッド数、アウトバスなどは条件相違のトラブルが発生する代表的なケースです。
また、ホテルが滞在都市のどこに位置しているか、電車やバスなど交通機関に不便はないか、近くにレストランやショッピング施設はあるか、などの周辺環境についても調べておきます。

 

■出発当日の手順確認

 

出発当日の業務をスムーズに遂行できるように、集合場所・集合時間、空港特別待合室利用の利用有無、センディングスタッフ(受付担当者)の有無、 携行書類(パスポート他の渡航書類)の所在(空港渡しか、本人持参か)などの事前確認を行います。

 

■バウチャーとチケットの確認と受取り

 

バウチャーとは旅先で宿泊・食事・交通機関などの各種サービスを受けるための保証書のことです。
現地ではバウチャーやチケットを証明書としてさまざまなサービスを受けられることから、パスポートや現金と同様に非常に重要なものです。
航空券のように日本で発券して持参する場合がありますので、枚数や、利用年月日、出発地・到着地、グレードなどの記載内容を必ず確かめておきます。

 

■ツアーファンドの受け取りと確認

 

ツアーファンドとは添乗員(ツアーコンダクター)が携行する外貨のことです。
ツアー中の支払いはほとんどがバウチャーやチケットで行いますが、空港や駅、ホテルなどのポーターチップ、送迎バスなどのドライバーチップ、レストランなどのウェイターチップ、ガイドチップ、空港税などは現金払いとなるためツアーファンドから支払います。ツアーファンドは事前に旅行会社から預かり、ツアー終了後に精算します。

 

■その他業務用携行品の確認

 

バウチャー、チケット、ツアーファンドのほかに携行品として次のようなものを受け取ります。

 

・アイティナラリー
英文の日程表です。
現地の手配内容やサービスの概要、宿泊ホテルやレストラン、交通機関の名前などが記されています。

 

・ネームリスト
参加者一覧を記載した旅客名簿です。
氏名、生年月日、旅券番号、旅券発行年月日、出生地、職業、住所などのほか、目的地により必要な項目を英文で記載しています。
入国手続きやホテルのチェックインのときなどに提出したり、機内で出入国カードを作成したりするときに使用します。

 

・ルーミングリスト
宿泊先ホテルの部屋割りの一覧表です。
通常、ルーミングリストをもとにホテル側が空いている部屋を機械的に振り分けます。
参加者に部屋割りを伝える前に、友人同士や家族を同フロアしたり、バスタブありの部屋を出来るだけ年配者に割り当てるなどの
最終確認が必要です。

 

・参加者についての資料
参加者の個人情報が記載されている資料です。
ハンディキャップやアレルギーの有無など、一人ひとりの注意や特別な要望がまとめられています。

 

・連絡先リスト
主催会社、宿泊ホテル、使用する交通機関(航空会社・バス会社・船会社等)、保険会社、添乗員などの名称・電話番号が記入されています。
事件や事故などに遭遇したときの24時間態勢の緊急連絡先も必要となります。

 

・行先国の出入国カード
旅行先の国の入国審査所や出国審査所でパスポートと一緒に出すカードです。
記入方法についての質問も多いので日本国内で準備できるものは事前に記入しておきます。
入国の際、税関申告書や検疫質問書の提出を必要とする国もあります。

 

・ネームタグ
荷物につけるネームタグ(名札、荷札)です。
予備も含めて十分に用意します。
旅行中の荷物の管理は添乗員(ツアーコンダクター)の重要な仕事の1つです。
添乗員(ツアーコンダクター)が参加者を識別する目的もあり、きちんと整理しておくことで紛失や誤配予防に効果があります。

 

・ツアーレポート用書類
添乗日報、添乗精算報告書、ファンド使用明細書、各種精算書、利用機関・施設報告書などの業務書類。

 

・事務用品
計算機、メモ帳、電子辞書、マジック・サインペン、大判用紙、セロハンテープ、筆記用具、大判封筒、ガムテープ、荷造り用品など

 

・常備薬
参加者の年齢や行き先により選びます。
胃腸薬、下痢止め、風邪薬、外傷薬、絆創膏など。

 

・参加者用名簿、旅程表など。

 

チケット類確認


参加者へ確認とあいさつの連絡

事前挨拶

出発前日までに参加者に直接電話をして、集合時間や場所、渡航手続の不備などの最終確認をします。

 

また、旅行地の最新情報や必須携行品について説明したり、ツアーの疑問・質問に答えて参加者の不安を取り除きます。

 

ここで何を聞かれても答えることができるように下準備を徹底していれば、事前に十分な信頼関係ができあがり、スムーズなツアーを遂行できます。


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